論語 / 衛霊公篇
子曰:志士仁人,無求生以害仁,有殺身以成仁。
書き下し
子曰わく、志士仁人は、生を求めて以て仁を害せず。身を殺して以て仁を成すこと有り。
現代語訳
孔子が『志士や仁者は、生き延びるために仁の徳を害するようなことはせず、むしろ自分の身を犠牲にしてでも仁の徳を完成させることがある』と言われた。
解説
志を持つ人や思いやりの心を大切にする人は、生き延びるために大切な思いやりの心を投げ捨てるようなことはしません。むしろ、自分の身を犠牲にしてでも、その思いやりの心を貫き通すことがある、という教えです。自分の立場や暮らしを守るために、正しいと分かっていることを曲げてしまう場面は誰にでもあります。しかし本当に大切なものを守るためなら、多少の損や不利益を引き受ける覚悟が要る、と孔子は説きます。これは仕事の場面だけの話ではなく、友人をかばうために損な役回りを引き受けたり、家族を守るために自分の得を後回しにしたりする、日々の小さな覚悟にも通じる教えです。
この章句が説くこと
理念覚悟倫理観インテグリティ自己犠牲
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