論語 / 衛霊公篇
子曰:「知及之,仁不能守之,雖得之,必失之。知及之,仁能守之。不莊以蒞之,則民不敬。知及之,仁能守之,莊以蒞之。動之不以禮,未善也。」
新字:子曰:「知及之,仁不能守之,雖得之,必失之。知及之,仁能守之。不荘以蒞之,則民不敬。知及之,仁能守之,荘以蒞之。動之不以礼,未善也。」
書き下し
子曰く、知之に及ぶも、仁之を守ること能わざれば、之を得と雖も、必ず之を失う。知之に及び、仁能く之を守るも、荘以て之に蒞まざれば、則ち民敬せず。知之に及び、仁能く之を守り、荘以て之に蒞むも、之を動かすに礼を以てせざれば、未だ善からざるなり。
現代語訳
先生がおっしゃった。「知恵が及んでも、仁でそれを守れなければ、たとえ得ても必ず失う。知恵が及び、仁で守れても、威儀を正して臨まなければ、民は敬わない。知恵が及び、仁で守れ、威儀を正して臨んでも、人を動かすのに礼をもってしなければ、まだ十分ではない。」
解説
四段階の積み上げが示されている。知、仁、荘、礼。前の段階を満たしても、次が欠ければ完成しない。しかも各段階で、欠けたときに何が起きるかが具体的に述べられている。知だけなら失い、仁まででは敬われず、荘まででも十分ではない。段階ごとの失敗の形が違う。この構造は、事業や組織の成熟を考えるときに使える。良いアイデアがある段階、それを守り抜く姿勢がある段階、外に対する構えが整った段階、人を動かす作法まで備わった段階。最初の段階で成功する組織は多いが、次の段階で失うことも多い。得ることと守ることは別の能力であり、守ることと人を集めることもまた別である。どの段階で止まっているかを見極めれば、次に何を足すべきかが分かる。
この章句が説くこと
知仁荘礼持続可能性段階誠実さ能力守成
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