囲炉夜話 / 処世
囲炉夜話(処世)の名句を、現代語訳と実践の解説つきで。全224句。このページは1〜200句目です。
清の王永彬(湖北枝江の人)が、咸豊四年(一八五四)に自序を付けた箴言集です。自序によれば、冬の夜、家族が炉を囲んで山芋を焼きながら過ごすとき、黙り込むか、つまらない話をするかでは夜がもったいない。そこで心に得たことを口にし、子どもたちに書き取らせたのがこの本だといいます。菜根譚・小窓幽記と並べて「処世三大奇書」と呼ばれます。一則はたいてい二行の対句です。「貧無可奈、惟求儉。拙亦何妨、只要勤」(貧しくてどうにもならなければ倹約するしかない。不器用でもかまわない、勤めさえすればよい)。「一信字是立身之本、一恕字是接物之要」。農家の主人の言葉らしく、読書と耕作、倹約と勤勉、子の教え方、家の傾き方、人の見分け方といった、暮らしの手触りのある話題が並びます。孔子・孟子・程朱から陽明まで、儒学の言葉を家の言葉に言い直しているのが特徴です。底本には事情があります。維基文庫の『圍爐夜話』は、二〇〇一年の『中國古典精華文庫』本を繁体字に直したもので、その際に則の切れ目(空行)と行末の句点が落ちていました。師導では、字を維基文庫本から、則の切れ目と句読点を精華文庫本から取って組み直しています。この二本の則の並びは注音符号の順に組み替えた近代の編集で、王永彬の原本の並びではありません(大陸の流布本は「教子弟於幼時」から始まります)。出典欄の「第何則」はこの並びでの番号です。字は、簡体から繁体に戻す際の取り違え(誌→志、雲→云、松→鬆 など)を直したほか、精華文庫の系統だけが崩れていて、独立した二本の流布本(文林社本・善書図書館本)がそろって別の字を持ち、底本のままでは文が通らない十三箇所を直しました(「君子有過行、小人嫉之不能容」の一行の脱落を含む)。精華文庫のPDFがフォントに無い字を空白にしていた二箇所も、証人と典拠から「圍棋」「闇然」と埋めました。両立する異文は底本のまま残しています。師導では自序と二百二十三則を二百二十四の章句に収め、本文八千九百三十一字の百パーセントを覆いました。学派は「処世」に置いています。

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