囲炉夜話 / 第七十一則・德義の中より腳を立つ
郭林宗為人倫之鑒,多在細微處留心。 王彥方化鄉裏之風,是從德義中立腳。
新字:郭林宗為人倫之鑒,多在細微処留心。 王彦方化郷裏之風,是従徳義中立脚。
書き下し
郭林宗の人倫の鑒と為るは、多く細微の處に在りて心を留む。王彥方の鄉裏の風を化するは、是れ德義の中より腳を立つ。
現代語訳
郭林宗(後漢の郭泰)が人物鑑定の手本となったのは、多くは細かなところに心を留めたからです。王彦方(後漢の王烈)が郷里の風俗を感化したのは、徳と義の中に足場を立てたからです。
解説
後漢の二人の人物から、人を見る目と人を変える力の源を探った対句です。郭林宗は郭泰のことで、人物を見抜く眼識で知られ、多くの人材を見いだしたと『後漢書』に伝えられます。その鑑識眼は、人の細かなふるまいに注意を払うところから生まれたと言います。王彦方は王烈のことで、牛を盗んだ者に布を贈って恥を知らせ改心させた話が知られ、郷里の人々は争いを恥じるようになったと伝えられます。その感化の力は、才覚ではなく徳義に立っていたとします。人を見るには細部を、人を変えるには自分の徳を、というのが要で、人を評価し導く立場の人にも示唆があります。
この章句が説くこと
人物眼感化徳義細心郭泰
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