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囲炉夜話 / 第百五十則・善く生を謀る者

善謀生者,但令長幼內外,勤修恒業而不必富其家。 善處事者,但就是非可否,審定章程而不必利於己。

新字:善謀生者,但令長幼内外,勤修恒業而不必富其家。 善処事者,但就是非可否,審定章程而不必利於己。

書き下し

善く生を謀る者は、但だ長幼內外をして、恒業を勤修せしめて、必ずしも其の家を富ましめず。 善く事に處する者は、但だ是非可否に就きて、章程を審定して、必ずしも己を利せず。

現代語訳

暮らしを上手に立てる人は、ただ家の年長者も年少者も、内の者も外の者も、それぞれ決まった仕事に励ませるだけで、無理に家を富ませようとはしません。物事を上手に処理する人は、ただ是非と可否に照らして決まりをよく定めるだけで、自分の得になるようにはしません。

解説

家計と仕事の二つの場面で、上手な人の共通点を示す対句です。上の句は、家の者それぞれに決まった仕事を勤めさせることが暮らしの土台であり、富むこと自体は目的ではないと言います。恒業とは、日々続ける本業のことです。下の句は、物事を処理するときは是か非か、できるかできないかで決まりを定め、自分の利益を基準にしないと言います。二つに共通するのは「必ずしも〜せず」、つまり結果の利を追わず、筋道を整えることに集中する姿勢です。仕事の仕組みを作るときも、自分に得かどうかを物差しにすると、決まりはすぐに歪んでしまいます。

この章句が説くこと

恒業家訓処世公正勤勉

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