囲炉夜話 / 第二十四則・衣祿は原より定數有り
富貴易生禍端,必忠厚謙恭,才無大患。 衣祿原有定數,必節儉簡省,乃可久延。
新字:富貴易生禍端,必忠厚謙恭,才無大患。 衣禄原有定数,必節倹簡省,乃可久延。
書き下し
富貴は禍端を生じ易し、必ず忠厚謙恭にして、才に大患無し。 衣祿は原より定數有り、必ず節儉簡省にして、乃ち久しく延ぶべし。
現代語訳
富貴は災いの糸口を生みやすいものです。必ず誠実で手厚く、へりくだってつつしみ深くして、はじめて大きな災いを免れます。衣食や俸禄には、もともと定まった量があります。必ず節約して簡素にして、はじめて長く保つことができます。
解説
富貴と衣禄、つまり地位と暮らしの糧をどう保つかを説いた対句です。富貴は人の妬みやおごりを招き、禍の端緒になりやすいので、忠厚謙恭、誠実で謙虚な態度が欠かせないと言います。後半の衣禄は衣食や俸給のことで、人が一生に受ける分には定めがあるという当時の考え方に立っています。だから使い方を節し、簡素に暮らせば、その分が長く続くというのです。定数という見方の当否は別として、手にしたものは使い方次第で長くも短くもなるという点は今も変わりません。順調なときほど謙虚と倹約を心がけることが、長続きの秘訣です。

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本の中身を見るこの章句が説くこと
謙虚勤倹富貴節倹禍
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