囲炉夜話 / 第九十四則・真の學問有らば決して怪怪奇奇ならず
講大經綸,只是落落實實。有真學問,決不怪怪奇奇。
新字:講大経綸,只是落落実実。有真学問,決不怪怪奇奇。
書き下し
大經綸を講ずるも、只だ是れ落落實實なり。真の學問有らば、決して怪怪奇奇ならず。
現代語訳
天下を治める大きな計画を論じるときも、それはただ堅実で着実なものにすぎません。本当の学問があるなら、決して奇をてらった奇怪なものにはなりません。
解説
大きな経綸も本物の学問も、見た目は地味で堅実なものだと説いた則です。経綸とは糸を整えて織るように、国や世の中を治めるための筋道のことです。落落実実は、あっさりとして飾り気がなく、中身が詰まっていることを言います。一方の怪怪奇奇は、人を驚かせる奇抜さで、学問が浅い人ほど珍しい説を唱えたがるという皮肉が込められています。前半は事業、後半は学問を扱いながら、どちらも本物ほど平明だという一点で結ばれています。今日でも、奇抜な戦略や耳目を集める主張は注目を浴びますが、長く成果を上げる計画は基本を丁寧に積み上げたものが多いものです。目新しさで人を引きつけたくなるときに、手堅さの価値を思い出させてくれます。
この章句が説くこと
学問堅実経綸実学修身
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