囲炉夜話 / 第六十二則・事を論ずるは真の識見を須つ
論事須真識見。做人要好聲名。
新字:論事須真識見。做人要好声名。
書き下し
事を論ずるには須らく真の識見なるべし。人と做るには好き聲名を要す。
現代語訳
物事を論じるには、本物の見識が必要です。人として生きるには、よい評判が必要です。
解説
わずか十二字で、議論と生き方の要を示した対句です。論事は、物事の是非を論じることです。そのとき必要なのは、借り物の知識や声の大きさではなく、自分で確かめた本物の識見だと言います。後半の做人は口語で、人として身を処すこと、生き方を言います。好声名は良い評判のことですが、評判を飾れという意味ではなく、誠実な行いを重ねた結果として人に認められることでしょう。見識は内に養うもの、声名は外から与えられるもので、その両方がそろって人は信頼されます。意見を言う前に自分の見識は本物かを問い、日々の振る舞いが評判として返ってくることを心得たいものです。
この章句が説くこと
識見評判議論修身処世
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