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囲炉夜話 / 第百四十七則・盈を持し泰を保つは總て須らく忍讓すべし

守分安貧,何等清閑,而好事者,偏自尋煩惱。 持盈保泰,總須忍讓,而恃強者,乃自取滅亡。

新字:守分安貧,何等清閑,而好事者,偏自尋煩悩。 持盈保泰,総須忍譲,而恃強者,乃自取滅亡。

書き下し

分を守り貧に安んずるは、何等の清閑ぞ、而るに事を好む者は、偏へに自ら煩惱を尋ぬ。 盈を持し泰を保つは、總て須らく忍讓すべし、而るに強を恃む者は、乃ち自ら滅亡を取る。

現代語訳

身の程を守り貧しさに安んじるのは、なんと清らかでのどかなことでしょう。それなのに事を好む者は、わざわざ自分から煩いを探し求めます。満ち足りた状態を保ち、太平を守るには、すべて忍び譲ることが必要です。それなのに強さを頼む者は、かえって自ら滅びを招きます。

解説

貧しいときと満ち足りたときのそれぞれに、身を保つ道を示した則です。前半は、分を守り貧に安んじれば清閑、つまり清らかでのどかな暮らしができるのに、事を好む人はわざわざ煩いを作り出すと言います。後半の持盈保泰は、満ちたものをこぼさず太平を保つことで、それには忍譲、つまり怒りを抑え人に譲ることが欠かせないと言います。ところが強さを頼む人は、力で押し通して、かえって自ら滅びを招くのです。前半は貧しさの中の欲、後半は豊かさの中の驕りで、どちらも自分から災いを求めてしまう人の愚かさを突いています。ここでの忍譲は、理不尽に屈することではなく、力を持つ者が力を振り回さない度量のことでしょう。今日でも、順調な組織ほど強引さが命取りになります。

この章句が説くこと

知足謙譲驕慢処世

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