囲炉夜話 / 第百七十三則・然る後に天下に正學有り
自虞廷立五倫為教,然後天下有大經。 自紫陽集四子成書,然後天下有正學。
新字:自虞廷立五倫為教,然後天下有大経。 自紫陽集四子成書,然後天下有正学。
書き下し
虞廷の五倫を立てて教と為してより、然る後に天下に大經有り。 紫陽の四子を集めて書を成してより、然る後に天下に正學有り。
現代語訳
舜の朝廷が五倫(父子・君臣・夫婦・長幼・朋友の道)を立てて教えとしてから、天下に大いなる常の道ができました。紫陽(朱熹)が四人の賢者の言葉を集めて書物にしてから、天下に正しい学問ができました。
解説
儒学の道統を二つの節目で示す対句です。虞廷とは、伝説の聖天子舜の朝廷のことです。『書経』舜典には、舜が臣下の契に命じて人倫の教えを広めさせたことが見えます。紫陽は朱熹の別号で、四子とは孔子・曽子・子思・孟子を指し、朱熹が『論語』『大学』『中庸』『孟子』を四書としてまとめたことを言います。人の道の枠組みと、それを学ぶための教科書という二段階で、学問の土台が築かれたという見方です。朱子学を正学とする清代の立場が素直に出ています。自分の仕事にも、守るべき枠組みと繰り返し読むべき基本書があるかを考える材料になります。
この章句が説くこと
五倫朱子学正学四書儒学
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