囲炉夜話 / 第六十六則・官箴に玷有れば
耕讀固是良謀,必工課無荒,乃能成其業。 仕宦雖稱顯貴,若官箴有玷,亦未見其榮。
新字:耕読固是良謀,必工課無荒,乃能成其業。 仕宦雖称顕貴,若官箴有玷,亦未見其栄。
書き下し
耕讀は固より是れ良謀なり、必ず工課荒む無くして、乃ち能く其の業を成す。 仕宦は顯貴と稱すと雖も、若し官箴に玷有らば、亦た未だ其の榮を見ず。
現代語訳
耕すことと読むことは、もとより良い生き方の計です。しかし必ず日々の務めを怠らないことで、はじめてその業を成し遂げられます。役人となることは高く貴いと言われますが、もし役人としての戒めに傷があれば、やはりその栄誉は見られません。
解説
耕読の暮らしと仕官の道、それぞれの落とし穴を示した対句です。著者は耕田と読書を良い生き方の計としますが、それも工課、すなわち日々の課業を怠らなければの話だと念を押します。良い道を選んでも、続けなければ実りません。後半の官箴は、役人が守るべき戒めのことで、玷は玉のきずです。仕官は世間では高く貴いとされますが、職務上の規律に傷があれば、その栄誉はどこにも見えないとします。どちらも、肩書きや選んだ道そのものより、その中で日々どう務めるかが大事だということです。職業に貴賤はなく、務め方にこそ差が出ることを教えています。
この章句が説くこと
勤勉読書職分規律仕官
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