囲炉夜話 / 第六則・放手すべきは放手す
不能縮頭者,且休縮頭。可以放手者,便須放手。
書き下し
頭を縮むる能はざる者は、且く頭を縮むるを休めよ。以て手を放つべき者は、便ち須らく手を放つべし。
現代語訳
首をすくめて逃げられない場面では、ひとまず首をすくめるのをやめて向き合いなさい。手を放してよい場面では、すぐに手を放すべきです。
解説
引くべきでないときと、手放すべきときの見極めを説いた対句です。縮頭は首をすくめること、つまり責任や困難から身を引くことで、逃げられない場面でこそこそ身をかがめても、かえって事態は悪くなります。一方の放手は、握りしめているものを手放すことです。執着してよい場面は案外少なく、任せられることや済んだことは、潔く手を放したほうがよいのです。前半は逃げない勇気、後半は執着しない潔さで、どちらも状況を見て決める判断の話です。仕事でも、引き受けるべき責任と人に任せるべき作業を分けることが、力の使いどころを誤らない秘訣です。
この章句が説くこと
決断執着勇気処世責任
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