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囲炉夜話 / 第二百十則・恥無きは乃ち賤と為す

無財非貧,無學乃為貧。無位非賤,無恥乃為賤。 無年非夭,無述乃為夭。無子非孤,無德乃為孤。

新字:無財非貧,無学乃為貧。無位非賤,無恥乃為賤。 無年非夭,無述乃為夭。無子非孤,無徳乃為孤。

書き下し

財無きは貧に非ず、學無きは乃ち貧と為す。位無きは賤に非ず、恥無きは乃ち賤と為す。 年無きは夭に非ず、述無きは乃ち夭と為す。子無きは孤に非ず、德無きは乃ち孤と為す。

現代語訳

財産がないのは貧しいのではありません。学問がないことこそが貧しいのです。地位がないのは卑しいのではありません。恥を知らないことこそが卑しいのです。長生きしないのは若死にではありません。後に伝えるものがないことこそが若死にです。子がないのは孤独ではありません。徳がないことこそが孤独なのです。

解説

貧・賤・夭・孤という四つの不幸を、中身で定義し直した二対の句です。普通は財産・地位・寿命・子のないことを不幸と見ますが、著者はそれを外側の条件にすぎないとし、本当の不幸を学・恥・述・徳の欠如に置きます。述とは、後の世に伝える業績や言葉のことです。徳無きは孤というのは、『論語』里仁篇の「徳は孤ならず、必ず隣有り」を裏返した言い方です。四つの言い換えは、どれも自分の努力で変えられるものばかりで、外の条件を嘆く心を、自分の手で変えられるものへと向け直してくれます。
『人生の方程式』の表紙

人生を、一行の式にしてみた。

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この章句が説くこと

学問廉恥徳貧賤修身

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