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囲炉夜話 / 第二十則・苦は定めて甘に回る

名利之不宜得者竟得之,福終為禍。 困窮之最難耐者能耐之,苦定回甘。

書き下し

名利の宜しく得べからざる者を竟に之を得れば、福も終に禍と為る。 困窮の最も耐へ難き者を能く之に耐ふれば、苦も定めて甘に回る。

現代語訳

名誉や利益のうち、得るべきでないものを結局得てしまえば、福もついには禍となります。困窮のうち最も耐えがたいものに耐えることができれば、苦しみも必ず甘さに変わります。

解説

福と禍、苦と甘が入れ替わることを説いた対句です。前半は、分に過ぎた名誉や利益、筋の通らない手段で得たものは、いずれ災いの種になると戒めます。竟は、とうとう、結局という意味です。後半は、最もつらい困窮を耐え抜けば、苦味は必ず甘味に転じると励まします。回甘は、苦いお茶のあとに甘みが戻ってくるような味わいを言う語です。手に入れたものが自分にふさわしいかを問うこと、苦しい時期を無駄にしないこと、この二つが対になっています。ただし耐えるべき苦しみと、声を上げて変えるべき不当とは分けて考える必要があります。

この章句が説くこと

名利禍福困窮因果

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