囲炉夜話 / 第九則・人と得失を爭はず
不與人爭得失,惟求己有知能。
新字:不与人争得失,惟求己有知能。
書き下し
人と得失を爭はず、惟だ己に知能有らんことを求む。
現代語訳
人と損得を争わず、ただ自分に知恵と能力が備わることを求めます。
解説
十四字の短い一則ですが、競争との付き合い方を端的に示しています。得失は、得をしたか損をしたかということです。人と損得を張り合うと、目は相手に向き、心は勝ち負けに振り回されます。著者は、目を自分の側に戻し、知恵と力を身につけることだけを求めよと言います。『論語』憲問篇の、人が自分を知らないことを憂えず、自分にできないことを憂えよという言葉にも通じる考え方です。職場での評価や待遇に心が乱れるときこそ、比べる相手を他人から昨日の自分に替えると、力は着実に伸び、得も後からついてきます。
この章句が説くこと
修身得失競争学問自省
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