囲炉夜話 / 第百六則・清貧は乃ち讀書人の順境なり
清貧,乃讀書人順境。節儉,即種田人豐年。
新字:清貧,乃読書人順境。節倹,即種田人豊年。
書き下し
清貧は、乃ち讀書人の順境なり。節儉は、即ち種田人の豐年なり。
現代語訳
清らかな貧しさは、読書人にとっての順境です。節約と倹約は、農民にとっての豊年です。
解説
貧しさや節約を、それぞれの立場にとっての恵みとして言い換えた則です。読書人にとって、富は誘惑や雑事を増やし、学問の妨げになることがあります。だから清貧、つまり貧しくても心が清らかな暮らしこそが、学問に打ち込める順境だというのです。農民にとっては、豊作の年を待つだけでなく、ふだんの節倹こそが豊年と同じ働きをするといいます。どちらも、外から来る幸運ではなく、自分の暮らし方の中に恵みがあるという点でつながっています。今日でも、お金や物に余裕がないことを嘆くより、それを集中や工夫の条件と見なす人の方が、しなやかに生きていけます。
この章句が説くこと
清貧勤倹読書節約処世
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