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囲炉夜話 / 第百四十四則・一味に虧を吃するを學ぶは處事の良方なり

十分不耐煩,乃為人大病。一味學吃虧,是處事良方。

新字:十分不耐煩,乃為人大病。一味学吃虧,是処事良方。

書き下し

十分に煩に耐へざるは、乃ち人と爲りの大病なり。一味に虧を吃するを學ぶは、是れ事に處するの良方なり。

現代語訳

何事にもひどく面倒がって辛抱できないのは、人としての大きな病です。ひたすら損を引き受けることを学ぶのは、物事に対処するよい方法です。

解説

辛抱のなさを戒め、進んで損を引き受けることを勧めた則です。不耐煩は面倒がって我慢できないことで、これが人としての大病だと言い切ります。短気で投げ出しやすい人は、人とも事ともうまく付き合えないからです。後半の吃虧は口語で、損を食う、割を食うことを言い、清の鄭板橋の、吃虧は是れ福、という言葉でも知られます。ここでの吃虧は、理不尽を黙って呑めということではなく、小さな損得で争わず、度量を広く持てということです。前半は短気を捨てること、後半は損を恐れないことで、どちらも目先の不快や不利に心を乱されない忍の工夫としてつながっています。今日でも、少しの手間や損を嫌がって関係をこじらせるより、快く引き受ける人の方が、結局は信頼と協力を得ていきます。
『人生の方程式』の表紙

人生を、一行の式にしてみた。

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この章句が説くこと

忍吃虧寛容忍耐処世

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