囲炉夜話 / 第四十八則・胸中方に主宰有り
多記先正格言,胸中方有主宰。閑看他人行事,眼前即是規箴。
書き下し
多く先正の格言を記せば、胸中方に主宰有り。閑に他人の行事を看れば、眼前即ち是れ規箴なり。
現代語訳
先哲の格言を多く覚えておけば、心の中にようやく拠り所ができます。ゆったりと他人の行いを見れば、目の前がそのまま戒めとなります。
解説
言葉から学ぶことと、人の行いから学ぶことを並べた対句です。先正は、先の世の正しい人、つまり先哲のことです。その格言を多く心に蓄えておくと、迷ったときに判断の軸となる主宰、すなわち心の主が立つと言います。後半の規箴は、戒めや教えのことです。他人の行いを落ち着いて眺めれば、良い行いは手本に、悪い行いは戒めになり、目の前が教科書になるというのです。閑に看るという言い方には、他人をあげつらうのでなく、静かに観察するという含みがあります。本と人の両方から学ぶ習慣が、ぶれない自分をつくると教えています。
この章句が説くこと
格言読書鑑主体修身
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