囲炉夜話 / 第四十三則・心外に馳せず
地無餘利,人無餘力,是種田兩句要言。 心不外馳,氣不外浮,是讀書兩句真訣。
新字:地無余利,人無余力,是種田両句要言。 心不外馳,気不外浮,是読書両句真訣。
書き下し
地に餘利無く、人に餘力無し、是れ田を種うるの兩句の要言なり。 心外に馳せず、氣外に浮かばず、是れ書を讀むの兩句の真訣なり。
現代語訳
土地に使い残しの利益がなく、人に出し惜しんだ力がない。これが田を作るうえでの二句の要の言葉です。心が外に走り回らず、気が外に浮つかない。これが書を読むうえでの二句の真の秘訣です。
解説
耕田と読書という、著者が重んじる二つの営みの要訣を二句ずつで示した対句です。前半の地に余利なしは、土地の力を余すところなく生かすこと、人に余力なしは、働き手が力を出し惜しまないことです。後半は読書の心得で、心が外のことに飛び回らず、気持ちが浮つかないことが肝心だと言います。一方は外に向けて力を出し切ること、もう一方は内に向けて心を集めることで、方向は逆でも、どちらも散らさない、無駄にしないという点で共通しています。今日の仕事でも、持てる資源を生かし切ることと、学ぶときに気を散らさないことは、成果を分ける基本です。
この章句が説くこと
読書勤勉集中農修身
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