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囲炉夜話 / 第七十七則・機關を以て智と爲すこと勿れ

和平處事,勿矯俗以為高。正直居心,勿機關以為智。

新字:和平処事,勿矯俗以為高。正直居心,勿機関以為智。

書き下し

和平にして事に處し、俗を矯めて以て高しと爲すこと勿れ。正直にして心を居き、機關を以て智と爲すこと勿れ。

現代語訳

穏やかに物事に対処し、わざと世間の習いに逆らってそれを高尚だと思ってはいけません。正直な心を持ち、策略をめぐらすことを知恵だと思ってはいけません。

解説

穏やかさと正直さを保つよう説き、それぞれの裏にある取り違えを戒めた則です。矯俗とは、世間と違うことをわざとして自分を高く見せることで、奇をてらう態度を指します。機關はからくりの意味で、人を操る策略や駆け引きのことです。著者は、高さとは奇行ではなく穏やかな処し方の中にあり、知恵とは策略ではなく正直な心の中にある、と言い直しています。前半は外への見せ方、後半は内なる心の置き方を扱っており、二句で表と裏を押さえています。今日でも、人と違うことを言えば鋭く見え、裏で根回しをすれば賢く見えることがあります。しかし長い目で見て信頼を集めるのは、穏やかで正直な人です。目立つための逆張りと、得をするための駆け引きを、一度点検してみたくなる則です。
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この章句が説くこと

正直和平策略処世謙虚

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