囲炉夜話 / 第十三則・拙も亦た何ぞ妨げん
貧無可奈,惟求儉。拙亦何妨,只要勤。
新字:貧無可奈,惟求倹。拙亦何妨,只要勤。
書き下し
貧しくして奈ともすべき無くば、惟だ儉を求めよ。拙なるも亦た何ぞ妨げん、只だ勤むるを要す。
現代語訳
貧しくてどうしようもないときは、ただ倹約に努めなさい。不器用であっても何の差し支えがあるでしょう、ただ勤勉であればよいのです。
解説
勤と倹という、本書で繰り返される二つの徳を、ごく短い対句で示した一則です。貧しさはすぐには変えられませんが、出ていくものを抑えることは今日からできます。拙は、才覚が乏しく不器用なことです。器用さも生まれつきで急には身につきませんが、手を抜かず働くことは誰にでもできます。どちらも、変えられない条件を嘆かず、自分で動かせるところに力を注げという教えです。農人を名乗る著者らしい、地に足のついた言葉です。才能や環境に恵まれないと感じるときほど、倹約と勤勉という地味な二つを続けることが、確かな土台になります。
この章句が説くこと
勤倹勤勉倹約拙処世
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