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囲炉夜話 / 第五則・古人と心心相印す

不必於世事件件皆能,惟求與古人心心相印。

新字:不必於世事件件皆能,惟求与古人心心相印。

書き下し

必ずしも世事に於いて件件皆な能くせず、惟だ古人と心心相印せんことを求む。

現代語訳

世の中の事柄を一つ残らずこなせる必要はありません。ただ古人と心と心が通じ合うことを求めるのです。

解説

何でもできる器用さより、古人の心と通じ合うことを重んじよという一則です。心心相印は、心と心が印を押したようにぴたりと合うことで、禅でいう以心伝心に近い語です。ここでは古典を読み、昔の賢人の志がわが身に響くことを指します。件件は、一件一件という意味です。世事に通じることを軽んじているのではなく、何を土台にするかの順序を示しています。技能は時代とともに古びますが、誠実さや節度といった古人の心は変わりません。多くの役割をこなす人ほど、一日に少しでも古典と向き合う時間を持つと、ぶれない軸ができます。

この章句が説くこと

読書古人修身器用学問

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