師導古典を学びたいすべての人に

囲炉夜話 / 第七十二則・甘んじて人の欺きを受く

甘受人欺,定非懦弱。自謂予智,終是糊塗。

書き下し

甘んじて人の欺きを受くるは、定めて懦弱に非ず。自ら予は智なりと謂ふは、終に是れ糊塗なり。

現代語訳

人に欺かれても甘んじて受けるのは、決して気が弱いからではありません。自分は知恵があると思い込むのは、結局はものの分からない愚かさです。

解説

見かけの弱さと見かけの賢さが、実は逆であることを示した対句です。前半は、人に欺かれてもそれを承知で甘んじて受ける人は、臆病なのではなく、争うに値しないと見切るだけの度量がある人だと言います。後半の予智は『中庸』に見える、人皆予は知なりと曰ふという言葉を踏まえ、自分を賢いと思う人ほど見えていないと戒めます。糊塗は、物事がぼんやりして分からないことです。ここでの甘受は小さな損を気にしない度量のことで、重大な詐欺や不正を見逃せという意味ではありません。賢さを誇るより、損を呑める器の大きさを持てという教えです。

この章句が説くこと

度量寛容自惚れ

関連する章句

この一句を、あなたの毎日に。

古典の教えを、今の状況に当てはめて考えてみる——師導があなたの学びと選択を支えます。

師導で古典を学ぶ
いま登録すると、7日間すべての機能を無料でお試しいただけます。 無料ではじめる