囲炉夜話 / 第百六十一則・會く說話するに因りて身を殺す
人皆欲會說話,蘇秦乃因會說話而殺身。 人皆欲多積財,石崇乃因多積財而喪命。
新字:人皆欲会説話,蘇秦乃因会説話而殺身。 人皆欲多積財,石崇乃因多積財而喪命。
書き下し
人皆な會く說話せんと欲す、蘇秦は乃ち會く說話するに因りて身を殺す。 人皆な多く財を積まんと欲す、石崇は乃ち多く財を積むに因りて命を喪ふ。
現代語訳
人はみな話がうまくなりたいと願いますが、蘇秦は話がうまかったために殺されました。人はみな財産をたくさん積みたいと願いますが、石崇は財産をたくさん積んだために命を失いました。
解説
人が欲しがる長所が、そのまま命取りになった例を二つ並べた句です。蘇秦は戦国時代の遊説家で、弁舌で諸国を説いて回りましたが、最後は刺されて死にました。石崇は西晋の大富豪で、その富を狙われて殺されたと伝えられます。口のうまさも財産も、それ自体は悪ではありません。けれども、それを頼みにして人と争い、恨みや妬みを集めれば、長所が災いに変わります。欲しいものほど、その裏にある危うさを見ておけという戒めです。話術や資産がもてはやされる今の社会でも、それだけを頼みに立とうとする危うさは変わりません。

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本の中身を見るこの章句が説くこと
弁舌財禍福蘇秦処世
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