囲炉夜話 / 第二十五則・寒士の生活を謀るは還た是れ讀書
富家慣習驕奢,最難教子。寒士欲謀生活,還是讀書。
新字:富家慣習驕奢,最難教子。寒士欲謀生活,還是読書。
書き下し
富家は驕奢に慣習し、最も子を教へ難し。寒士の生活を謀らんと欲するは、還た是れ讀書なり。
現代語訳
富んだ家はおごりとぜいたくに慣れてしまい、子を教えるのが最も難しいものです。貧しい士人が暮らしを立てようとするなら、やはり書を読むことです。
解説
富家と寒士、豊かな家と貧しい学者を対比した一則です。富家では驕奢が当たり前になり、子にとってそれが普通の暮らしになってしまうので、教育が最も難しいと言います。一方、寒士が生計を立てる道は、やはり読書だとします。清代には学問を積んで科挙に通ることが、貧しい家が身を起こす大きな道でした。還是は口語で、結局はやはりという意味です。今日に置き換えれば、恵まれた環境は子の学ぶ意欲を奪うこともあり、恵まれない環境では学ぶことが最も確かな投資になるということです。学びの価値は、持たざる者にこそ大きいのです。
この章句が説くこと
読書家訓奢侈教育寒士
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