囲炉夜話 / 第百二十三則・紛華に染まらずして傑出の人と稱す
粗糲能甘,必是有為之士。紛華不染,方稱傑出之人。
新字:粗糲能甘,必是有為之士。紛華不染,方称傑出之人。
書き下し
粗糲を能く甘んずるは、必ず是れ有爲の士なり。紛華に染まらずして、方に傑出の人と稱す。
現代語訳
粗末な食事をおいしく食べられる者は、必ず何かを成し遂げる人物です。華やかな世の飾りに染まらない者こそ、傑出した人と呼べます。
解説
粗食に甘んじることと、華美に染まらないことを、大成する人の条件として並べた則です。粗糲は精白していない玄米のような粗末な食べ物のことで、それを甘んじて食べられる人は、欲に振り回されず目的に力を集められると言います。紛華は世の中のきらびやかな飾りや派手な暮らしのことで、それに心を奪われない人こそ抜きん出た人物だとします。前半は乏しさに耐える力、後半は豊かさに流されない力で、欲の両側からの試練に耐えることが一対になっています。今日でも、贅沢に慣れすぎると、少しの不便で心が折れたり、見栄のために判断をゆがめたりします。質素に耐えられる身体と、派手さに浮かれない心は、長い仕事を支える土台です。
この章句が説くこと
勤倹質素有為節制修身
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