囲炉夜話 / 第一則・放心を收むるの工夫
博學篤志,切問近思,此八字,是收放心的工夫。 神閑氣靜,智深勇沉,此八字,是幹大事的本領。
新字:博学篤志,切問近思,此八字,是収放心的工夫。 神閑気静,智深勇沈,此八字,是幹大事的本領。
書き下し
博く學びて篤く志し、切に問ひて近く思ふ、此の八字は、是れ放心を收むるの工夫なり。 神閑かに氣靜かに、智深く勇沉む、此の八字は、是れ大事を幹すの本領なり。
現代語訳
広く学んで志を厚くし、切実に問うて身近なことから考える。この八字は、散らばった心を取り戻すための工夫です。精神がのびやかで気持ちが静か、知恵が深く勇気が内に沈んでいる。この八字は、大事を成し遂げる者の本領です。
解説
前半の「博学篤志、切問近思」は『論語』子張篇の子夏の言葉で、「放心を収む」は『孟子』告子上篇の、学問の道は放心を求めることに尽きるという教えを踏まえます。放心とは、外に散って行方知れずになった心のことです。後半は、大事をなす人の器量を八字で描きます。対句の前半が心を集める修養、後半がそこから生まれる落ち着きと胆力で、修養が器量の土台になるという順序が読み取れます。慌ただしい仕事の中でも、まず散った心を手元に戻すことが、大きな判断を誤らない前提になります。
この章句が説くこと
修身放心学問胆力沈着
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