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囲炉夜話 / 第百四十一則・其の當然を盡くして乃ち其の自然に聽す

事但觀其已然,便可知其未然。人必盡其當然,乃可聽其自然。

新字:事但観其已然,便可知其未然。人必尽其当然,乃可聴其自然。

書き下し

事は但だ其の已に然るを觀れば、便ち其の未だ然らざるを知るべし。 人は必ず其の當に然るべきを盡くして、乃ち其の自ら然るに聽すべし。

現代語訳

物事は、すでにそうなったところを見さえすれば、まだそうなっていない先のことがわかります。人は、必ずなすべきことをやり尽くして、そのうえで成り行きに任せるべきです。

解説

已然、未然、当然、自然という四つの然を巧みに並べた則です。前半は、物事の過去の成り行きをよく観察すれば、これから先どうなるかが見通せると言います。結果には必ず前ぶれがあり、それを読み取るのが知恵だということです。後半は、人は当然、つまりやるべきことを残らずやり尽くし、そのあとは自然、つまり成り行きに任せよと言います。人事を尽くして天命を待つ、という言葉にも通じる考え方です。前半は見通す知、後半は尽くしたうえで手放す心で、見て、尽くして、任せるという順序ができあがっています。今日でも、過去のデータから先を読み、準備を尽くしたら結果に一喜一憂しない、という姿勢は、仕事の不安を減らしてくれます。尽くさずに任せるのでも、任せずに悩み続けるのでもない、ちょうどよい構えです。

この章句が説くこと

天命先見尽力自然処世

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