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囲炉夜話 / 第百九十三則・義の中に利有り

義之中有利,而尚義之君子,初非計及於利也。 利之中有害,而趨利之小人,並不顧其為害也。

書き下し

義の中に利有り、而して義を尚ぶの君子は、初めより利に計り及ぶに非ざるなり。 利の中に害有り、而して利に趨るの小人は、並びに其の害為るを顧みざるなり。

現代語訳

義の中には利がありますが、義を尊ぶ君子は、はじめから利を計算しているわけではありません。利の中には害がありますが、利に走る小人は、それが害であることをまったく顧みません。

解説

義と利と害の関係を、君子と小人の対比で示す句です。上の句は、義を貫けば結果として利益もついてくることを認めます。しかし君子は、その利を目当てに義を行うのではないと言います。計算ずくの義は、もう義ではなくなるからです。下の句は、利の中には害が潜んでいるのに、小人は目先の利に飛びつき、その害を見ないと言います。義から利へ、利から害へと、言葉が鎖のようにつながる構成が見事です。倫理を守ることが長い目では得になると言われる今の経営論にも通じますが、この句はさらに、利を目当てにするなと釘を刺しています。

この章句が説くこと

君子処世

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