囲炉夜話 / 第百五十九則・知己に對して慚づる無し
人得一知己,須對知己而無慚。士既多讀書,必求讀書而有用。
新字:人得一知己,須対知己而無慚。士既多読書,必求読書而有用。
書き下し
人一の知己を得ば、須らく知己に對して慚づる無かるべし。士既に多く書を讀まば、必ず書を讀みて用有らんことを求むべし。
現代語訳
人は自分を理解してくれる友を一人得たなら、その友に対して恥じることのないようにしなければなりません。士人が多くの書物を読んだのなら、読んだことを必ず役立てるよう求めなければなりません。
解説
得たものに見合う自分であれ、という対句です。知己とは、自分の本当の値打ちを分かってくれる人のことです。そういう人を得たら、その信頼を裏切らない振る舞いをすることが、知己への礼儀だと言います。下の句では、たくさん本を読んだなら、それを役に立てて初めて読んだことになると言います。友も本も、得たことで終わりではなく、そこから自分に責任が生まれるという見方です。自分を信じて引き立ててくれた人や、積み上げた読書の量を、生かし切れているかと問い直すきっかけになります。恵みを負い目ではなく、行いの支えとして受け止める句です。
この章句が説くこと
知己読書友実用修身
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