囲炉夜話 / 第百三則・些かの餘地を留めて人に處す
求個良心管我。留些餘地處人。
新字:求個良心管我。留些余地処人。
書き下し
個の良心を求めて我を管せしむ。些かの餘地を留めて人に處す。
現代語訳
良心というものを求めて、自分を取り締まらせます。いくらかの余地を残して、人に接します。
解説
わずか十四字で、自分への厳しさと人への寛さを示した短い則です。前半は、良心を自分の見張り役として据え、自分の振る舞いを管理させよと言います。外からの規則や目ではなく、内なる良心に自分を任せるという考えです。後半は、人に接するときには少しの余地、つまり逃げ道やゆとりを残しておけと言います。相手を追い詰めず、言い分や面子の入る隙間を残しておくことで、関係が壊れずにすみます。前の則の、自分には求備、人には寛容という考えを、さらに短く言い直したものとも読めます。今日でも、議論で相手を完全に論破したり、ミスを徹底的に責めたりすると、後に禍根が残ります。自分には良心の目を厳しく、人には一歩引いた余白を、という心得は、人間関係を長持ちさせる知恵です。
この章句が説くこと
良心寛容余地恕修身
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