玉勝間 / 国学
玉勝間(国学)の名句を、現代語訳と実践の解説つきで。全6句。
本居宣長が晩年、寛政五年(一七九三)から没する享和元年(一八〇一)まで書き継いだ随筆集です。全十五巻。学問論・語源考証・古書の来歴・世相への批評まで、思いつくままに千余りの段が並びます。最も有名なのは「わがをしへ子にいましめおくやう」でしょう。「わが後に、また善き考えのいできたらむには、必ずわが説にななづみそ。わが悪しき故を云いて、善き考えをひろめよ」——師の説にこだわるな、私の説の悪いところを言え、と自分の弟子に言い置いた一段です。ほかにも、徒然草の「花は盛りに、月はくまなきをのみ見るものかは」を古歌の実例で反証した「兼好法師が詞のあげつらひ」、うまい物を食べたい・よい家に住みたい・人に尊ばれたいという欲を「皆人の真心」と肯定した「うはべをつくる世のならひ」など、宣長の思考の運びがそのまま見える段が並びます。師導では『玉かつま』日本古典全集(正宗敦夫 編纂校訂)を切り出し元に、六段を収めました。この書は信頼できる翻刻が乏しくOCRしか無いため、別の版と漢字の並びで機械照合が立った段だけを採っています(一致率は平均〇・八八五)。直した箇所は素材フォルダの校訂記録に残しました。章題は原典の段の題です。段はまだ増やせるので、より良い証人が見つかり次第に足していきます。