酔古堂剣掃 / 処世
酔古堂剣掃(処世)の名句を、現代語訳と実践の解説つきで。全1524句。このページは1〜200句目です。
明末の陸紹珩(字は湘客、松陵の人)が、古今の書物から清言(世俗を離れた澄んだ言葉)を集め、醒・情・峭・霊・素・景・韻・奇・綺・豪・法・倩の十二集に分けた書です。書名の「剣掃」は、剣で払うように世の俗情を一掃する、という意味で、友人の任大冶は引で「俗情の沿襲を憤って慧刀で断つ」と説いています。清の乾隆年間に、書名を『小窓幽記』、撰者を陳継儒と改めた本が出て、中国ではその名で広まりました。菜根譚・囲炉夜話と並べて「処世三大奇書」と呼ばれるのはこの小窓幽記の名です。日本には嘉永年間の翻刻があり、安岡正篤の講義によって『酔古堂剣掃』の名で知られています。菜根譚とほぼ同じ句が多く入っているのは、両書が同じ時代の清言を集めているためです。各集の頭には陸紹珩の短い序があり、集醒は「中山の酒を食らえば一たび酔うて千日」と、名利に酔って醒めない世を嘆くところから始まります。「花繁柳密處撥得開、纔是手段。風狂雨急時立得定、方見腳根」(花や柳の茂みを押し分けて進めてこそ手腕、風雨の激しいときに立っていられてこそ足腰が分かる)のような処世の警句から、隠居の閑適、山水、恋情、豪気まで、集ごとに色合いが変わります。底本は維基文庫『醉古堂劍掃』です。日本の嘉永本を底本とし、乾隆三十五年の問心斎刊本と内閣文庫の抄本とで校合されています。古文島(原古詩文網)の『小窗幽記』(簡体字)とも突き合わせ、食い違いの大半は嘉永本の異体字だったので底本のまま残しました。直したのは、簡体字からの変換の取り違え(誌→志、系→繫、「云ふ」の意の雲→云など)と、嘉永本を写したときに「縁」を字形の近い「緑」と打っていた六箇所(塵縁・良縁・仙縁など)です。このほか「楼」を「摟」、「士」を「土」とするような写し違いが残っていますが、証人で確かめられないものは原文を底本のまま残し、現代語訳と解説で正しい意味を補いました。師導では凡例・十二集の小序・各則を千五百二十四の章句に収め、本文五万一千四百四字の百パーセントを覆いました。任大冶の引と陸紹珩の自敘は簡体字が混ざった本文しか無いため章句にはせず、陳本敬の小窓幽記序とともに全文コーパスに収めています。学派は「処世」に置いています。

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