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酔古堂剣掃 / 集醒・人常に死する時を想へば

人常想病時,則塵心便減;人常想死時,則道念自生。

書き下し

人常に病める時を想へば、則ち塵心便ち減ず。 人常に死する時を想へば、則ち道念自ら生ず。

現代語訳

人がいつも病気の時のことを思っていれば、俗世への執着はすぐに薄れます。人がいつも死ぬ時のことを思っていれば、道を求める心がおのずと生まれます。

解説

病と死を思うことを、心を清める方法として勧めた対句です。塵心は俗世の欲にまみれた心、道念は道を求める心を言います。元気なときには名誉や財産や快楽に夢中になりますが、病床に伏したときを思い浮かべれば、それらがいかに頼りないかに気づきます。さらに死の時を思えば、本当に大切なものは何かという問いが自然に生まれます。菜根譚にも、病や死を思えば欲が冷めるという趣旨の句があります。死を思うことは暗い考えではなく、今の生き方を正す鏡になります。人生の優先順位に迷ったとき、最期の時から振り返って考えてみると、答えがはっきりすることがあります。

この章句が説くこと

生死無常

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