酔古堂剣掃 / 集醒・空を談じて反って空に迷ふ
談空反被空迷,耽靜多為靜縛。
新字:談空反被空迷,耽静多為静縛。
書き下し
空を談じて反って空に迷はされ、靜に耽りて多く靜に縛らる。
現代語訳
空を論じる者は、かえって空に迷わされます。静けさに溺れる者は、多くの場合、静けさに縛られてしまいます。
解説
修行の落とし穴を短く言い当てた対句です。空は仏教の根本の教えで、あらゆるものに固定した実体がないことを言います。ところが、その空を理屈で語ることに熱中すると、今度は空という観念にとらわれてしまいます。同じように、静けさを求めて閉じこもりすぎると、少しの物音にも心を乱され、静けさそのものが自分を縛る鎖になります。執着を離れるための教えにさえ執着してしまう、人の心の性質を突いた言葉です。健康法や自己啓発でも、やり方に凝りすぎて本来の目的を見失うことがあります。手段にとらわれていないかを時々確かめたいものです。

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本の中身を見るこの章句が説くこと
執着空静修行禅
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