酔古堂剣掃 / 集醒・功名の上に一鬧して心死す
人欲求道,須於功名上鬧一鬧方心死,此是真實語。
新字:人欲求道,須於功名上鬧一鬧方心死,此是真実語。
書き下し
人道を求めんと欲せば、須らく功名の上に於いて鬧すること一鬧して方に心死すべし、此れは是れ真實の語なり。
現代語訳
人が道を求めようと思うなら、一度は功名の上でひと騒ぎしてみて、そうしてはじめて功名への心が死ぬのです。これは本当のことを言った言葉です。
解説
功名心を捨てるには、一度それを経験してみることが必要だと説く、率直な一則です。鬧はにぎやかに騒ぐことで、ここでは功名を求めて世の中で奮闘することを指します。一度も功名を求めたことのない人が、功名はむなしいと言っても、心の奥にはまだ憧れが残っています。実際に功名の世界で揉まれ、その実態を知ってはじめて、心から執着が消えるというのです。心死すとは、欲望や執着が完全に消えることです。何かを本当に手放すためには、一度はそれに正面から取り組む必要があるという洞察は、仕事でも人生でも当てはまります。若いうちに思い切り挑戦することは、後に心を自由にするための道でもあるのでしょう。
この章句が説くこと
功名修道執着処世立志
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