師導古典を学びたいすべての人に

酔古堂剣掃 / 集醒・精を韜みて以て拙を示す

好辯以招尤,不若訒黙以怡性;廣交以延譽,不若索居以自全;厚費以多營,不若省事以守儉;逞能以受妬,不若韜精以示拙。

新字:好弁以招尤,不若訒黙以怡性;広交以延誉,不若索居以自全;厚費以多営,不若省事以守倹;逞能以受妬,不若韜精以示拙。

書き下し

辯を好みて以て尤を招くは、訒黙して以て性を怡ばしむるに若かず。廣く交はりて以て譽を延くは、索居して以て自ら全うするに若かず。費を厚くして以て多く營むは、事を省きて以て儉を守るに若かず。能を逞しくして以て妬みを受くるは、精を韜みて以て拙を示すに若かず。

現代語訳

議論を好んで人の非難を招くよりは、口数を控えて黙り、自分の本性を楽しませるほうがよいのです。広く付き合って評判を引き寄せるよりは、ひとり静かに暮らして身を全うするほうがよいのです。費用をかけて多くの事業を営むよりは、事を減らして倹約を守るほうがよいのです。才能を見せびらかして妬まれるよりは、その鋭さを包み隠して不器用に見せるほうがよいのです。

解説

四つの「若かず」を重ねて、控えめな生き方の利を説いた一則です。弁舌、交際、事業、才能という四つの面で、出しすぎることの害と、抑えることの益を対比しています。訒黙は口が重く黙っていること、索居は仲間から離れてひとり住むこと、韜精は鋭さを包み隠すことです。論語にも仁者はその言や訒すという言葉があり、口数の少なさを徳と見る伝統があります。どれも消極的に見えますが、要は身を守り心を安らかに保つための知恵です。何でも発言し、誰とでも付き合い、手を広げ、能力を誇示すると、それだけ摩擦も増えます。本当に大切なことに力を集中するために、あえて控える勇気も持ちたいものです。

この章句が説くこと

謙虚寡黙倹約処世韜晦

関連する章句

この一句を、あなたの毎日に。

古典の教えを、今の状況に当てはめて考えてみる——師導があなたの学びと選択を支えます。

師導で古典を学ぶ
いま登録すると、7日間すべての機能を無料でお試しいただけます。 無料ではじめる