酔古堂剣掃 / 集醒・一間の屋、六尺の地
一間屋,六尺地,雖沒莊嚴,卻也精致;蒲作團,衣作被,日裡可坐,夜間可睡;燈一盞,香一炷,石磬數聲,木魚幾擊;龕常關,門常閉,好人放來,惡人廻避;發不除,葷不忌,道人心腸,儒者服製;不貪名,不圖利,了清靜緣,作解脫計;無罣礙,無拘繫,閒便入來,忙便出去;省閒非,省閒氣,也不游方,也不避世;在家出家,在世出世,佛何人,佛何處?此即上乘,此即三昧。日復日,歲復歲,畢我這生,任他後裔。
新字:一間屋,六尺地,雖没荘厳,却也精致;蒲作団,衣作被,日裡可坐,夜間可睡;灯一盞,香一炷,石磬数声,木魚幾撃;龕常関,門常閉,好人放来,悪人廻避;発不除,葷不忌,道人心腸,儒者服製;不貪名,不図利,了清静縁,作解脱計;無罣礙,無拘繋,閒便入来,忙便出去;省閒非,省閒気,也不游方,也不避世;在家出家,在世出世,仏何人,仏何処?此即上乗,此即三昧。日復日,歳復歳,畢我這生,任他後裔。
書き下し
一間の屋、六尺の地、莊嚴沒しと雖も、卻って也た精致なり。 蒲もて團を作り、衣もて被と作し、日裡は坐すべく、夜間は睡るべし。 燈一盞、香一炷、石磬數聲、木魚幾擊。 龕は常に關し、門は常に閉し、好人は放ち來らしめ、惡人は廻避す。 發(髮)は除かず、葷は忌まず、道人の心腸、儒者の服製。 名を貪らず、利を圖らず、清靜の緣を了し、解脫の計を作す。 罣礙無く、拘繫無く、閒なれば便ち入り來り、忙なれば便ち出で去る。 閒非を省き、閒氣を省き、也た游方せず、也た世を避けず。 家に在りて家を出で、世に在りて世を出づ、佛は何人ぞ、佛は何處ぞ。此れ即ち上乘、此れ即ち三昧。 日また日、歲また歲、我が這の生を畢へ、他の後裔に任す。
現代語訳
一間きりの家に、六尺四方の土地。飾り立ててはいないけれど、かえってこぢんまりと整っています。蒲を編んで座布団にし、衣を掛け布団にして、昼は坐ることができ、夜は眠ることができます。灯火が一つ、香が一本、石の磬を数回鳴らし、木魚をいくつか叩きます。仏龕(厨子)はいつも閉じ、門もいつも閉ざして、善い人は通して迎え入れ、悪い人は避けて通します。髪は剃らず、なまぐさものも避けず、心は道人(修行者)、身なりは儒者です。名を貪らず、利を求めず、清らかで静かな縁を全うし、解脱のための計らいをします。心に引っかかりもなく、縛られるものもなく、暇になれば入ってきて、忙しくなれば出ていきます。無用の是非をはぶき、無用の腹立ちをはぶき、諸国を行脚することもなく、世を避けて隠れることもありません。家にいながら出家し、世にいながら世を超える。仏とはどんな人か、仏はどこにいるのか。これこそが最上の教え(上乗)であり、これこそが三昧です。一日また一日、一年また一年、こうして私の一生を終え、あとは子孫の好きにまかせます。
解説
この章句が説くこと
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