酔古堂剣掃 / 集醒・多情の人は必ず寡情に至る
情最難久,故多情人必至寡情;性自有常,故任性人終不失性。
書き下し
情は最も久しくし難し、故に多情の人は必ず寡情に至る。性は自ら常有り、故に任性の人は終に性を失はず。
現代語訳
情はもっとも長続きしにくいものです。ですから情の多い人は、必ず情の薄い人になってしまいます。本性にはもともと変わらないところがあります。ですから本性のままに生きる人は、最後まで本性を失いません。
解説
移ろいやすい情と、変わらない性とを対比した対句です。情は喜怒哀楽や愛情のように外に向かって動く心、性は生まれつきの本性です。情を多く注ぐ人は一時は熱いですが、情は長く保てないので、やがて冷めて薄情になってしまいます。一方、本性に従って生きる人は、無理がないので最後まで自分を失いません。任性は今日ではわがままの意味でも使われますが、ここでは本性にまかせるという意味です。熱しやすく冷めやすい付き合いより、飾らない自然体の付き合いのほうが長続きします。人に対しても仕事に対しても、無理に熱を上げるより、自分の本性に合った関わり方を探すほうが続くのではないでしょうか。
この章句が説くこと
人情本性自然交友修身
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