酔古堂剣掃 / 集醒・語は嬌鶯を學ぶ
形同雋石,致勝冷雲,決非凡士;語學嬌鶯,態摹媚柳,定是弄臣。
新字:形同雋石,致勝冷雲,決非凡士;語学嬌鶯,態摹媚柳,定是弄臣。
書き下し
形は雋石に同じく、致は冷雲に勝る、決して凡士に非ず。 語は嬌鶯を學び、態は媚柳を摹す、定めて是れ弄臣なり。
現代語訳
姿が秀でた石のように引き締まり、趣が冷ややかな雲にもまさる人は、決して平凡な人物ではありません。言葉づかいはなまめかしい鶯をまね、身のこなしは媚びるような柳をなぞる人は、きっと君主にへつらう弄臣(慰み者の家来)です。
解説
人の風采から人物を見分ける一則で、清らかな士と媚びる臣を対にしています。雋石は姿の引き締まった良い石、冷雲は俗世から離れた高い雲で、どちらも孤高で冷静な気品のたとえです。一方の嬌鶯と媚柳は、甘い声と揺れる柳の枝で、人に取り入る愛嬌を表しています。弄臣は、君主の気晴らしの相手として寵愛される家来のことです。言葉や態度が人の機嫌を取ることばかりに向かうと、どれほど重用されても尊敬は得られません。上に立つ人は、甘い声で近づく人より、少し無愛想でも芯のある人を見抜く目を持ちたいものです。
この章句が説くこと
人物品格阿諛観人風采
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