酔古堂剣掃 / 集醒・易く信ずる者は必ず易く疑ふ
輕與必濫取,易信必易疑。
新字:軽与必濫取,易信必易疑。
書き下し
輕く與ふる者は必ず濫りに取り、易く信ずる者は必ず易く疑ふ。
現代語訳
軽々しく人に与える人は、必ずみだりに人から取ります。たやすく人を信じる人は、必ずたやすく人を疑います。
解説
一見すると美徳に見える行いの裏にある危うさを突いた、短い対句です。軽く与える人は、気前がよいように見えますが、与えることに節度がないので、取ることにも節度がなくなります。易く信じる人は、人を疑わない善人に見えますが、よく確かめずに信じるので、ちょっとしたことでたやすく疑うようにもなります。どちらも、判断の軸が自分の中になく、その場の気分で動いていることが問題なのです。老子にも軽諾は必ず信寡しという言葉があります。気前よく約束したり、すぐに人を信じ込んだりしたときこそ、一度立ち止まって考えることが大切です。慎重に与え、慎重に信じる人のほうが、結局は長く信頼されるでしょう。
この章句が説くこと
信頼節度交友処世慎重
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