酔古堂剣掃 / 集醒・闇室の一燈、苦海の三老
闇室之一燈,苦海之三老;截疑網之寶劍,抉盲眼之金鍼。
新字:闇室之一灯,苦海之三老;截疑網之宝剣,抉盲眼之金鍼。
書き下し
闇室の一燈、苦海の三老。 疑網を截るの寶劍、盲眼を抉るの金鍼。
現代語訳
暗い部屋にともる一つの灯火であり、苦しみの海を渡す船頭です。疑いの網を断ち切る宝剣であり、見えない目を開く金の鍼です。
解説
主語を置かず、四つのたとえだけを重ねた一則です。何をたとえているかは書かれていませんが、迷いを破る教えや良い書物、すぐれた師の言葉を讃えたものと読めます。三老は船の舵取りや船頭のことで、杜甫の詩にも見える語です。苦海は仏教で、苦しみに満ちたこの世を海にたとえた言葉です。金鍼は、昔の眼科で目のくもりを取り除いた金の針で、仏典でも迷いを破るたとえに使われます。暗闇、苦しみ、疑い、盲目という四つの迷いに、それぞれ救いの道具を当てています。人生の節目で、自分にとっての一灯や金鍼となる言葉を持っているかを問いかけられているようです。
この章句が説くこと
教え迷い師悟り読書
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