酔古堂剣掃 / 集醒・世外に青眼に逢ふを喜ぶ
富貴功名、榮枯得喪,人間驚見白頭;風花雪月、詩酒琴書,世外喜逢青眼。
新字:富貴功名、栄枯得喪,人間驚見白頭;風花雪月、詩酒琴書,世外喜逢青眼。
書き下し
富貴功名、榮枯得喪、人間に白頭を見て驚く。 風花雪月、詩酒琴書、世外に青眼に逢ふを喜ぶ。
現代語訳
富貴や功名、栄えたり衰えたり、得たり失ったりを追っているうちに、世間では白髪頭になった自分に驚くことになります。風や花、雪や月、詩や酒、琴や書物を楽しむ人は、俗世の外で温かく迎えてくれる友に出会うことを喜びます。
解説
世間の中での一生と、世間の外での一生を対比した対句です。前半は富貴や功名を追い、栄枯得喪に一喜一憂しているうちに、気づけば白髪になっているという嘆きです。後半は、風花雪月の自然と詩酒琴書の楽しみに生きる人が、世外で心の通う相手に出会う喜びを描きます。青眼は、晋の阮籍が気に入った人には黒目で、嫌いな人には白目で向き合ったという故事によるもので、好意をもって迎えることを言います。前半の白頭と後半の青眼が、白と青の色で対になっているのも工夫です。成果に追われる日々の中に、損得を離れて心の通い合う楽しみを持っておきたいものです。
この章句が説くこと
風雅功名交友隠逸青眼
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