酔古堂剣掃 / 集醒・惟だ靜臥是れ小自在
日月如驚丸,可謂浮生矣,惟靜臥是小延年;人事如飛塵,可謂勞生矣,惟靜臥是小自在。
新字:日月如驚丸,可謂浮生矣,惟静臥是小延年;人事如飛塵,可謂労生矣,惟静臥是小自在。
書き下し
日月は驚丸の如し、浮生と謂ふべし、惟だ靜臥是れ小延年なり。 人事は飛塵の如し、勞生と謂ふべし、惟だ靜臥是れ小自在なり。
現代語訳
月日は弾き飛ばされた弾丸のように過ぎ去り、まことにはかない人生と言えます。ただ静かに横になることだけが、ささやかな延命です。人の世の事は舞い上がる塵のように慌ただしく、まことに苦労の多い人生と言えます。ただ静かに横になることだけが、ささやかな自在です。
解説
時の速さと世事の煩わしさに対して、静かに横になることを勧めた対句です。驚丸は弾き出された弾丸で、あっという間に過ぎる月日のたとえです。浮生は浮き草のようにはかない人生、労生は苦労ばかりの人生を言います。前半では静臥を小さな延命、後半では小さな自由と呼び、同じ答えを二度繰り返しています。大げさな修行ではなく、ただ静かに体を休めることに、命を延ばし心を解き放つ効き目を見ているのです。予定を詰め込みがちな今日、何もしないで横になる時間を意識して持つことも、立派な養生だと気づかせてくれます。
この章句が説くこと
養生閑適静浮生休息
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