酔古堂剣掃 / 集醒・入門一たび差へば
發端無緒,歸結還自支離;入門一差,進步終成恍惚。
新字:発端無緒,帰結還自支離;入門一差,進歩終成恍惚。
書き下し
發端に緒無ければ、歸結も還た自ら支離す。 入門一たび差へば、進步も終に恍惚と成る。
現代語訳
始まりに筋道がなければ、結末もやはりおのずとばらばらになります。入口で一度間違えれば、その先の歩みもついにはぼんやりとしたものになってしまいます。
解説
物事の始まりの大切さを、二つの言い方で重ねて述べた一則です。前半は仕事や議論の組み立て、後半は学問や修行の入口を念頭に置いていると読めます。緒は糸口、支離はばらばらに散らばること、恍惚はここでは焦点が定まらずぼんやりすることです。最初の方向が少しずれていると、進めば進むほど目的から遠ざかり、あとで直すのは難しくなります。新しい仕事や学びを始めるときは、急いで手を動かす前に、何のために何から始めるのかを確かめておくことが肝心です。良い師や良い入門書を選ぶことの重みも、ここから読み取れます。
この章句が説くこと
学問立志入門始め筋道
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