酔古堂剣掃 / 集醒・好んで閨門を談ずる者
好談閨門,及好譏亂者,必為鬼神所怒。非有奇禍,則必有奇窮。
新字:好談閨門,及好譏乱者,必為鬼神所怒。非有奇禍,則必有奇窮。
書き下し
好んで閨門を談じ、及び好んで亂を譏る者は、必ず鬼神の怒る所と為る。奇禍有るに非ざれば、則ち必ず奇窮有り。
現代語訳
人の家庭の奥の事情をあれこれ話したがる者や、人の乱れた行いを好んでそしる者は、必ず鬼神の怒りを買います。思いがけない災いに遭うのでなければ、必ずひどく困窮することになります。
解説
人の私生活や醜聞を話題にすることを、強く戒めた一則です。閨門は家の奥、とくに夫婦や男女の私事を指し、譏乱は人の乱れた行いをそしることです。こうした話題は人の好奇心をそそり、話す側は面白がりますが、話される側にとっては深い傷になります。それを鬼神が怒るというのは、天の道にそむく行いだということを強く言い表したものです。奇禍は思いがけない災い、奇窮は並外れた困窮です。昔も今も、人の私生活の噂は広まりやすく、それを楽しむ風潮があります。しかし人の不幸や秘密を話の種にすることは、いずれ自分の信用を損ない、身に返ってくるものだと心得ておきたいものです。
この章句が説くこと
慎言噂陰徳処世戒め
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