酔古堂剣掃 / 集醒・悶ゆれば對すべし、獨りなるべからず
懶可臥,不可風;靜可坐,不可思;悶可對,不可獨;勞可酒,不可食;醉可睡,不可淫。
新字:懶可臥,不可風;静可坐,不可思;悶可対,不可独;労可酒,不可食;酔可睡,不可淫。
書き下し
懶ければ臥すべきも、風すべからず。 靜かなれば坐すべきも、思ふべからず。 悶ゆれば對すべきも、獨りなるべからず。 勞るれば酒すべきも、食すべからず。 醉へば睡るべきも、淫すべからず。
現代語訳
だるいときは横になるのはよいですが、風に当たってはいけません。静かなときは坐るのはよいですが、あれこれ考え込んではいけません。気がふさぐときは人と向き合うのはよいですが、一人でいてはいけません。疲れたときは酒を飲むのはよいですが、たくさん食べてはいけません。酔ったときは眠るのはよいですが、色事にふけってはいけません。
解説
体と心の状態ごとに、してよいことと避けるべきことを五つ並べた養生の一則です。だるいときに風に当たると体を冷やして病を招き、静かに坐っているときに考え事をすると心が休まりません。気がふさぐときに一人でいると思いが内にこもるので、誰かと向き合うのがよいと言います。疲れたときには少しの酒で血をめぐらせても、満腹に食べると胃腸に負担がかかります。酔ったときは眠るのがよく、色欲に走ると体を損ないます。古い養生の知恵ですが、落ち込んだときに一人で抱え込まない、疲れたときに食べ過ぎないなど、今日の暮らしにもそのまま役立つ助言がそろっています。
この章句が説くこと
養生節制健康休息心
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