酔古堂剣掃 / 集醒・能く俗を脫すれば便ち是れ奇
能脫俗便是奇,不合污便是清。
新字:能脱俗便是奇,不合汚便是清。
書き下し
能く俗を脫すれば便ち是れ奇、污に合せざれば便ち是れ清。
現代語訳
俗っぽさから抜け出せれば、それがそのまま非凡ということです。汚れに同調しなければ、それがそのまま清らかということです。
解説
非凡や清らかさを、ことさらに求める必要はないと説いた対句です。奇は人並み外れていること、合汚は世の汚れに調子を合わせることです。わざと変わったことをして目立とうとしなくても、俗な欲や見栄から離れられれば、それで十分に非凡です。また世間から身を絶って潔白を誇らなくても、汚いことに加わりさえしなければ、それで清らかです。菜根譚にもほぼ同じ句があり、そこでは奇を狙う者はただの変わり者になり、俗を絶って清を求める者は過激になると続きます。特別な生き方を演出するより、流されない一線を静かに守ることが大切だと教えています。
この章句が説くこと
脱俗清廉処世奇清
関連する章句
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菜根譚・前集能く俗を脱すれば便ち是れ奇なり。意を作して奇を尚ぶ者は、奇と為らずして異と為る。汚に合せざれば便ち是れ清なり。情を矯めて清を求むる者は、清と為らずして激と為る。
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『酔古堂剣掃』集倩・清は人の知らんことを恐る清は人の知らんことを恐れ、奇は自ら賞するに足る。
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『酔古堂剣掃』集素・清事は跡を著くべからず清事は跡を著くべからず。 若し衣冠必ず奇古を求め、器用必ず精良を求め、飲食必ず異巧を求むれば、此れ乃ち清中の濁にして、吾以て清事の一蠹と為す。
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『酔古堂剣掃』集法・時に隨ふも時に趨らず人と作るは俗を脫するを要するも、一の俗を矯むるの心を存すべからず。世に應ずるは時に隨ふを要するも、一の時に趨るの念を起こすべからず。
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『酔古堂剣掃』集倩・至美は艷無し至奇は驚く無く、至美は艷無し。
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『酔古堂剣掃』集醒・心を清素に實たす想ひを奢華に結べば、則ち見る所轉た冷淡多し。心を清素に實たせば、則ち涉る所都て塵氛を厭ふ。