酔古堂剣掃 / 集醒・多情の者は與に妍媸を定むべからず
多情者,不可與定妍媸;多誼者,不可與定取與。多氣者,不可與定雌雄;多興者,不可與定去住。
新字:多情者,不可与定妍媸;多誼者,不可与定取与。多気者,不可与定雌雄;多興者,不可与定去住。
書き下し
多情の者は、與に妍媸を定むべからず。多誼の者は、與に取與を定むべからず。多氣の者は、與に雌雄を定むべからず。多興の者は、與に去住を定むべからず。
現代語訳
情の多い人とは、一緒に美醜を決めてはいけません。義理の多い人とは、一緒に取るか与えるかを決めてはいけません。血気の多い人とは、一緒に勝ち負けを決めてはいけません。興の多い人とは、一緒に行くか留まるかを決めてはいけません。
解説
四つの気質を挙げ、それぞれに任せてはいけない判断を示した一則です。妍媸は美しいことと醜いこと、取与は受け取ることと与えること、雌雄は勝ち負け、去住は去るか留まるかです。情の深い人は好き嫌いで美醜を決めてしまい、義理堅い人は付き合いに流されて損得の判断を誤ります。血気盛んな人は勝負にこだわって引き際を知らず、興に乗りやすい人はその場の気分で進退を決めてしまいます。どれも長所になりうる気質ですが、判断の場ではかえって偏りになります。人に相談するときは、その人の気質を見て、どの判断を任せるかを選ぶことが大切です。自分自身の気質についても、同じように知っておきたいものです。
この章句が説くこと
判断気質交友処世偏り
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