酔古堂剣掃 / 集醒・讀書を以て世事に通ず
士人不當以世事分讀書,當以讀書通世事。
新字:士人不当以世事分読書,当以読書通世事。
書き下し
士人は當に世事を以て讀書を分つべからず、當に讀書を以て世事に通ずべし。
現代語訳
学問をする人は、世の中の用事を理由に読書を割り引いてはなりません。読書によって世の中の事に通じるようにすべきです。
解説
読書と実務の関係について、明快な指針を示した一則です。分つは、分ける、割いて減らすという意味です。忙しいからと言って読書の時間を削るのは、読書と世事を別物と考えているからです。しかし本来、読書は世事に通じるための手段であり、両者は対立するものではないと言います。古今の書物には、人間や社会についての知恵が詰まっており、それを読むことで世の中の事柄がよく見えるようになるのです。忙しいビジネスパーソンほど、読書は余裕があるときの趣味と考えがちです。しかし、目の前の仕事を深く理解するためにこそ、本を読む時間を確保すべきなのかもしれません。読書を仕事の一部と考える発想の転換を促す言葉です。
この章句が説くこと
読書学問実務処世見識
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